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岡田将生「重力ピエロ」 [日本映画]

「重力ピエロ」

原作は伊坂幸太郎の70万部を超えるベストセラー小説なんだけど、
毎度毎度いつものごとく、伊坂幸太郎だけに何を書いてもネタバラになるから、
何も書けないのがツライところです。

至る所に無数の伏線を張りめぐらせながら、
それらが複雑に絡み合うことで謎がまたさらにナゾを呼び、
そして、
すべての謎が解き明かされた瞬間、
過去から現在に繋がる衝撃的な家族のドラマ、
家族がそれぞれに背負っていた“真実”に向き合わされるんです。

・不可解な落書き(グラフィティアート)
・謎の連続放火事件
・遺伝子配列を使った暗号
・24年前の忌まわしい事件

これらの点と点が線でつながった瞬間、
とてつもなく大きな“重力”が体にのしかかってくるんですよね。

それは彼らが否応なく背負わされた呪いたくなるような忌まわしい過去と、
どんなにあがいても抗うことのできない自分たちの運命に気付かされる瞬間でもあるのですが、
運命という名のあまりにも過酷で残酷で理不尽な“重力”がそこにありました。
胸が引き裂かれるような痛みと苦しみがそこにありました。


その運命を乗り越えようとする父
消し去ろうとする兄
終止符を打とうとする弟


「見たいと思う世界の変化にあなた自身がなりなさい」

というガンジーの言葉がありましたが、
この作品はそれぞれの方法で世界の変化を見ようとした家族の物語なんです。

愛は遺伝子を超える

「人は生まれた瞬間に家族になるのではなく、
生まれてからゆっくり時間をかけて家族になっていくのかもしれません」

ある人がこの映画に寄せていたコメントですが、
僕もまさにその通りだと思います。

いかに重苦しい現実と向き合うことになったとしても
家族という存在があれば大丈夫。
苦痛だって家族という存在で共有すれば気持ち的に心が軽くなる。

この作品で描かれるのはそれぞれがそれぞれのカタチで十字架のようにずっと心に背負っていた重力を越えようとした最強の家族愛です。

そう、家族愛はDNAさえも乗り越え、
それ以上の絆へと変化させる力があるんですよね。
だからきっと、愛があればどんなに困難で苦しくても大丈夫。

伊坂作品で欠かせないのは印象的なセリフですが、この作品にもあります。

・楽しそうに生きていれば地球の重力なんて消してしまえるんだよ。
・どんなにつらくて大変な状況でも楽しそうにやっていればきっと大丈夫。
・ツライことは陽気に伝えるべきなんだよ。

なかなかできませんが、重力を乗り越えるひとつの方法かもしれません。

余談ですが…。
グラフィティ(=Graffiti/落書き)はグラヴィティ(=Gravity/重力)との引っかけでしょうね。


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