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長澤まさみ「深呼吸の必要」 [日本映画]

「深呼吸の必要」

悩んでいても疲れていても、
「なんくるないさー」って魔法の言葉が全部吹き飛ばしてくれる、
そんな作品



それぞれに何かしらの事情を抱えながら、さとうきび刈りのアルバイトの募集告知を見て沖縄の離島にやって来た東京で生活してるひなみ(香里奈)、クールな大輔(成宮寛貴)、ブランド品で着飾る悦子(金子さやか)、最年長の修一(谷原章介)、無口な加奈子(長澤まさみ)という5人と、常連の田所(大森南朋)とかつて近所に住んでいた辻本(久遠さやか)を加えたまったく初対面の7人の若者。

彼らがこれから35日間、寝食を共にしながら、大自然の中で、
来る日も来る日も全長3メートル、7万本のさとうきびをただひたすら刈り続けるという過酷な共同作業を通して一体感が芽生え、ひとつの目標を達成させようとする青春群像劇なんですが…

沖縄の広大な自然とバイト先のおじぃとおばぁの温かくて優しい眼差しが、
心に傷を抱えてずっと息切れしたままの彼らに「深呼吸の必要」を教えてくれる作品なんですよね。

いわゆるヒーリング映画で、
癒しを求めてる若者にはこのスローな空気がドンピシャかな。

若者はそれぞれが心に何かしら…と書きましたが、それらのエピソードはあんまり描かれてません。せいぜい修一と大輔くらいで、他の人が本州から沖縄にやって来た理由は「想像にお任せします」ってところでしょうか。

ちょっと不親切のような気がしますが、。
すべて無条件に許してしまうのが沖縄が舞台の映画の魅力。

なにしろ青い空を見てるだけで清々しい気分になるし、
おいしそうな空気がさまざまな感情を包み込んでくれるから、
見終わった後は爽快感でいっぱい。

彼らだってきっと同じで、
都会で何があったのかは知らないけど、
沖縄でバイト仲間と過ごす35日間がすべてを変えてくれるんです。
いや、「すべて」というのは言い過ぎかな。

少なくとも深呼吸をすることで彼らは何かから解き放たれ、
まるで生まれ変わったかのような、新しい自分に出会えたはずです。

小学生のひなみが競泳で負けるシーンからこの作品は始まるんですが、
彼女はお父さんに「深呼吸したら勝てるの?」と問いかけるんですね。

結果は深呼吸をしてるときにスタートが切られ、
出遅れた彼女は最下位になっちゃうんですが、
この娘からの問いかけにお父さんが返した言葉は…

「勝てるわけじゃないけど楽しくなるよ」

でした。

さとうきび刈りも残すところあと1本になったとき、
田所の号令でその1本に向かってみんなで競争するんですが、
出遅れた彼女はトップでゴールしたんですよ。

冒頭が伏線になっていたのは予想外で、
競争を楽しんだ彼女はとてもステキな笑顔でした。

達成感で笑顔があふれる彼らはこのバイトを終えるとまたそれぞれの生活に戻るわけですが、
今度はきっと息切れはしないでしょう。

なぜなら、
さとうきび刈りに汗水流した彼らはこの35日間で深呼吸の必要を知ったから…。

時にはツライ現実から逃げ出してみたっていいんです。
それこそ、ちゃんと生きてさえいればなんくるないさー(沖縄弁で「何てことないさ」)


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