「色即ぜねれいしょん」
アホすぎるくらい単純でヘタレな主人公はボブ・ディランに心酔し、
ロックな生き様に憧れながら、でも、優しすぎる両親と幸せすぎる家庭で、
何不自由ない日々を送る文科系男子高校生なんですね。
不良でも優等生でもなく、ごくごく平凡で退屈なフツーの生活。
小学生の頃から片想いしてる女の子がいても告白する勇気なんてない。
何かに反抗するだけの熱い“ロック魂”すら持てず、
ボブ・ディランのように旅に出る必然さえもないことがロックに対するコンプレックス。
そんな彼がフリーセックス主義者が集まるとウワサの隠岐島に友人二人と旅に出てひと夏を過ごすことで、ほんのちょっぴり“オトナ”に成長するという青春の物語。
男子にとっての青春はとにかくカッコ良くありたいと願うもの
でも、それは豪速球でストレートな言葉に置き換えると、
「やりたい」とか「モテたい」という一心だったりするんですよね。
多くの男子は至極単純で、そのためにはどうすれば良いかを考えますが、
もし心の中が見えるなら99%女子のことしか考えてないことがバレバレ(笑)。
健康な10代の男子なら頭の中は女子に支配されてるもん。
そんな悶々とした青春のリビドーをメッセージとして音楽にのっけたら、
自分の中で何かが変わるかもしれない。
モヤモヤとした青春の苦悩がスッキリするかもしれない。
もどかしいほどくすぶっていて、積極的になれない青春のアクセルが全開になるかもしれない。
ロックをやるには「幸せすぎる」というコンプレックスから解放されるかもしれない。
色即是空
「人間は皆、最期は空になってしまうのだから、世の中の物事に執着するのは虚しい」
という意味の仏教の基本的な教義で、つまり、簡単にいえば「今を生きろ」ということ。
セックスだけがやりたいわけじゃない。
そんな歌ばっかり作ってたから人前で歌うことなんてまったく考えなかった。
でも、「音楽は最強の武器になる」と家庭教師に言われ、授業では「今を生きろ」と教師から言葉を送られ、思い切って文化祭のステージに立った主人公はめちゃめちゃカッコ良かった。
カッコ悪かった青春が、何の取り柄もなかった文科系の男子高校生が、
その瞬間、ステージ上で熱く輝きました。
自己の表現欲求を真摯にストレートにぶつけたことで聴く人の心を揺さぶりました。
そんな主人公にメチャメチャ共感できるサイコーに面白い作品でした。
青春×旅×音楽
今、何かにくすぶってる若者よ、さぁ旅に出よう!
エロティシズムブルース!
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