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多部未華子 青空のゆくえ [日本映画]

「青空のゆくえ」


男子バスケ部のキャプテンである主人公の正樹(中山卓也)が中学3年の一学期の終わりに両親の都合で夏休み中にアメリカへ引っ越すことを突然発表したことで、5人のクラスメイトの女子が彼に対して恋心なのか友情なのか自分でも分からないような想いを持っていたことに気付いていくという青春群像劇。


幼なじみで彼が引っ越すことを唯一事前に知っていた春奈(多部未華子)は幼なじみゆえにいつも本音とは裏腹にケンカ口調になってしまう。

女子バスケ部キャプテンの速見(森田彩華)はいつも一緒に練習してるだけに誰よりも彼のことを知ってると思っていたのに、引っ越しのことは聞かされてなくて裏切られた気分になる。

渋谷に向かうバス停で偶然バッタリと出会ったことでそのまま半日デートした学級委員長の亜里沙(黒川芽以)はその日から急に彼のことを意識してしまう。

帰国子女の市田(西原亜希)はどうせ卒業後には渡英するからと友人を作らずにクラスメイトとは少し距離を置いてきたが、自分に対して気さくに話しかけてきた彼は心を許せるメル友。

気が強くて男っぽい性格の貴子(悠城早矢)には友達はいないが、彼だけは唯一心おきなく何でもぶっちゃけて話し合える…。


そんな5人の多感な女子たちが
「正樹が引っ越す」
という“一大事件”をキッカケにそれぞれが自分の気持ちに気付くわけですが、
それまではとくに異性として意識してなかったんですよね。

正樹の「中学生活にひとつだけやり残したことがある」という意味深発言の真意とは何なのかをめぐって女子たちは急に色めき立ちますが、見てるほうもそれが何かとても気になります。。

朝刊配達の途中で必ず立ち寄る家があって、その家の2階の窓と空に向けたサイン。
その行動の意味がラストでようやく明らかになりますが、
正樹という男がまるで武士のように思えてきました(笑)。

女子たちのほのかな恋心がまた可愛らしいんだ。

速見だけがどこまでが本音かは分からなかったけど、
偶然の半日デートで彼に対する恋心に気付いた亜里沙にしても、
好きなのに彼から異性として扱われてない貴子にしても、
幼なじみということがネックで自分の想いとは裏腹についつい憎まれ口を叩いてしまう春奈にしても、
みんなみんな「好き」という言葉を素直に伝えられずにいます。

とくに春奈の小さな胸の内は複雑で、
同性とか異性とか友達といった相関するカテゴリーを超越した
“幼なじみ”という立場はそれ以上でもそれ以下でもなく、
そもそも最初から恋愛感情なんて次元の違うところにあるんで、
そこから恋人になるのは極めて難しい。

それが中学生なりに分かりすぎてるからこそ、
彼がアメリカに旅立つ前に姉の計らいで撮った2ショット写真は表向き、
「今さら2ショットなんて…」
と、照れくさい気持ちを隠すためにムスッとした表情を浮かべてますが、
でも、内心はメチャメチャ嬉しいはず。

そんな初々しい仕草がとても可愛らしいし、
そういうビビッドな青春の一場面がとても爽やかで清々しくて気持ちいい。
夏休みに誰もいない夜の校舎でみんな集まって花火をする場面も青春していてスゴくいい感じ。

「青空のゆくえ」


遠く離れたアメリカに引っ越してもこの空はどこまでも続いてるから、
この青空の向こうには彼がいる。
離れていてもみんな同じ空の下にいる。

彼らの青春の行方を想像させてくれるラストシーンの余韻がいい。


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