誰も少女を救えない。
何も悪くない少女を誰も守ってくれない。
大人も…そして、社会も。
「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」
密陽女子中学生集団性暴行事件をモデルにした作品なんだけど、
何も悪くない性犯罪の被害者がセカンドレイプに遭うのは見ていてツライだけで涙は出ない。
悲しみと憤りを通り越してやるせない。
大人はクズばかりで、
社会は懸命に生まれ変わろうとする少女を許さない。
あー、なんてこった…これじゃ救いがないじゃないか。
加害者が守られるという真実。
被害者がさらに苦しめられるという事実。
直接的な描写は控えめに時折インサートして、
現在と過去の時間軸を交錯させながら物語はゆっくりと進行していきますが、
予備知識ゼロで見たら中盤あたりまで状況がつかめません。
いわゆるシャレードなので状況描写から読み取るしかないのですが、
泳げない少女がプールで何度も何度も何度も泳ぐ練習を繰り返す理由が明らかになった時の衝撃は言葉では言い表せないくらいハンパない。
彼女の言う通り彼女は何も悪くないのに、
しつこくつきまとう忌々しい過去が友達と過ごすほんの束の間の“今”の楽しみさえ一瞬でぶち壊すわけで、いったいどれだけ傷をえぐって深くすれば彼女は苦しみから解放されるというのか。
被害者だけが転校を繰り返し、
自分を守るために素性を隠して生きていかなきゃいけないなんて、
こんな理不尽な世の中に誰がしたんだ?
繰り返しますが、彼女は何も悪くない。
真っ当な正義感をぶつけたら反感を買って43人もの獣に輪姦された事件の被害者なのだ。
その圧倒的な事実を無視して、
加害者の「強姦ではなく同意の上」という真実をでっち上げるような、
クズな大人ばかりでは少女は救われない。
誰も守ってくれないという現実がただただツライ。
またとんでもない韓国映画を見てしまった気分。
この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。
コメント 0